看護師の人材紹介は手数料いくら?適正価格とコスト削減方法を知ってうまく活用しよう

「紹介料が高騰し、採用予算がいくらあっても足りない……」 経営を担う役員として、この負担は頭の痛い問題ですよね。実は、適正な市場価格を把握し、戦略的な仕組みを整えることで、コストは劇的に最適化できます。


本記事では、医療専門職として働いた経験で医療現場を知り、経営の伴走者として活動するKoeLが、看護師の人材紹介手数料の相場や計算方法、リスク回避の具体策を提示します。理想の採用を叶えていきましょう。

目次

看護師の人材紹介の手数料とは?

人材紹介の手数料とは、看護師の採用が正式に決まった際に医療機関が支払う『成功報酬』のことです。広告を出しても、応募が来ないリスクがない分、確実に入職した対価として支払う性質を持っています。

金額は後述しますが、決して安くない出費ですので、早期離職時に費用が戻る『返金規定(返戻金)』の詳細は必ず確認しておきましょう。契約内容を隅々まで把握して、納得した上での契約が大事ですよ。

看護師の人材紹介の仕組み

看護師の人材紹介は、採用が決まった時点で初めて費用が発生する『完全成功報酬型』の仕組みで成り立っています。紹介会社は病院と求職者の間に立ち、条件交渉や面接調整などの実務を代行してくれます。

具体的には、入職した看護師の想定年収に一定の料率を掛けた金額が紹介料です。無駄な広告費を支払う心配がなく、確実に入職が決まった時だけ予算を動かせます。

看護師の人材紹介で必要な手数料の相場

採用コストの予算を立てる際、気になるのは1人あたりの実額ではないでしょうか。業界全体の相場を知っておけば、不当に高い契約を結んでしまうリスクを避けられます。

ここでは、公的な調査データに基づいた具体的な金額や、判断の基準となる目安を整理しました。

実際の手数料はどれくらい?

看護師1名を採用する際の紹介手数料は、平均して76.0万円程度といわれています。この金額は独立行政法人福祉医療機構(WAM)が2020年に実施した”病院の人材紹介手数料に関するアンケート調査”に基づく平均額です。同調査によれば、准看護師は67.9万円、看護補助者は43.3万円と、資格や役割によっても差が出ていますよ1)

また、医療機能によっても傾向があり、例えば急性期病院では手数料率が年収の24.4%と、全体の平均(23.4%)をやや上回るケースが見られます。実際の支払い額は30万円から124万円までと幅広いです。

70〜80万円を一つの基準として想定しておくとよいでしょう。

手数料の計算方法

人材紹介の手数料は、入職する看護師の想定年収に一定の『手数料率』を掛けて算出します。一般的な料率は年収の20%〜35%程度で設定されており、採用決定時に確定した年収見込み額をベースに計算するのが通例です。

想定年収は、基本給だけでなく賞与や固定の手当も含まれます。

計算式:想定年収 × 手数料率 = 紹介手数料

たとえば、年収450万円の看護師を料率25%で採用した場合、支払額は112.5万円になります。この金額は入職後に一括で支払うのが一般的ですが、計算の根拠となる年収の定義は契約前にしっかり確認しておきましょう。

手数料は安いか、高いかの目安

手数料率が20%から30%の範囲内であれば、現在の市場では標準的な設定だと言えます。一方で35%を超えるような場合は、専門性の高い高度なスキルを持つ人材や、緊急性の高い募集に限定されるケースが多いでしょう。

大規模な病院では採用人数が多いため、手数料の値引きが効きやすく、20%前後まで抑えられることもあるようですね。

逆に小規模なクリニックでは、1名あたりの募集にかかる手間が相対的に大きいため、30%近い高めの料率を提示される傾向があります。

提示された金額が妥当かどうか迷った際は、紹介会社がどこまでのサポート(面接調整や条件交渉代行など)を提供してくれるのか、サービス内容と照らし合わせて判断しましょう。

看護師の人材紹介手数料は抑えられる?

高額な紹介手数料は、交渉や採用手法の組み合わせ次第で抑えられます。人材紹介会社の料率は必ずしも固定ではなく、年間で複数名を採用する際のボリュームディスカウントや、継続的な取引を前提とした優遇条件の提示など、交渉の余地があるからです。
また、紹介会社だけに頼らず、採用が決まった時のみ低額な費用が発生する成果報酬型求人メディアや、無料で利用できるナースセンターを併用するのも一つの手でしょう。
返金規定の延長交渉なども含め、多角的な視点で契約を見直すことが、採用コストの最適化に繋がりますよ。

手数料を抑えて採用するためのポイント

高額な紹介手数料を単なる『固定費』と諦めていませんか?実は、日々の工夫や外部メディアとの併用次第で、支払うコストは大幅に管理できるようになります。

採用活動の精度を高め、予算を賢く使うための具体的なアクションを整理しました。

①適した人材を紹介してもらう

求める人材像を明確に伝え、ミスマッチによる早期離職を防ぐことが重要です。入職後すぐに辞めてしまうと、支払った手数料が結果的に無駄になってしまうからですね。自院のコンセプトや具体的な働き方を詳細に共有し、定着率の高いマッチングを依頼しましょう。これが一番のコスト管理になるはずですよ。

②人材会社の担当と仲良くなる

紹介会社の担当者とは、ビジネスパートナーとして信頼関係を築いてください。良好な関係があれば、急ぎの募集でも優先的に案内をもらえたり、好条件を引き出しやすくなったりしますよ。自院の理念や将来像を熱心に伝えることで、担当者のモチベーションを高めることも一つのテクニックです。長期的な関係性が、有利な契約に繋がるでしょう。

③手数料が妥当なのか確認する

提示された手数料率が市場相場やサービス内容に見合っているか、契約ごとに確認しましょう。特に年間で複数名を採用する予定があるなら、値引き交渉の余地があるからですね。過去の実績をもとに、料率の引き下げや返金規定の延長を打診してみるのもいいでしょう。定期的な見直しが、無駄な出費を削るきっかけになります。

④人材紹介以外の方法を組み合わせる

紹介会社だけに依存せず、ハローワークやリファラル採用(紹介による採用)などを柔軟に組み合わせましょう。公的サービスや職員の紹介であれば、手数料をゼロ、あるいは大幅に抑えることが可能ですよ。成果報酬型の求人メディアも、一般的に紹介会社より料率が低く設定されています。多様なルートを持つことで、採用単価の全体像を下げられるでしょう。

看護師の人材紹介を適切に活用しよう

本記事では、看護師の人材紹介における手数料の仕組みや相場、コストを抑えるための戦略について解説しました。 1人あたり平均76万円という費用は決して安くありませんが、紹介会社を『共に病院を作るパートナー』として捉え直し、主体的に関わることが大切です。 まずは自社の契約内容や返金規定を改めて確認し、他メディアやリファラル採用とのバランスを検討してみてください。 提示された料率が市場の適正価格に合っているかを冷静に見極め、自院にとって最も納得感のある採用活動を進めていきましょうね。

<参考先>

1)病院における人材紹介手数料調査.公益社団法人全日本病院協会.2020.

https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/02_20201005_jinzaisyokaitesuuryo.pdf(参照2026-1-24)

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